加悦 ハブ3/ハ4995/ハ10/サハ3104(R2-22-6)

2020/3/23(月)


ハブ3(製造会社:Van der Ziepen(独) 1889年6月製造)

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ドイツVan der Ziepen社製の木造緩急車です。1922年(大正11年)に鉄道省より伊賀鉄道へ払い下げ後、加悦鉄道の創業時に入線しました。修理後、1927(昭和2年)に竣工しました。

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三等客室はロングシートです。

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荷物室を備えた緩急車です。

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荷物室には手ブレーキのハンドルがあります。


ハ4995(製造会社:鉄道省 新橋工場 1893年製造)

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いわゆる「マッチ箱」とよばれた非貫通型超古典客車です。1935年(昭和10年)廃車、留置。1970年(昭和45年)に修復工事を実施し、展示しています。1990年(平成2年)車体部分の大修理を実施しました。 

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いわゆる、4ダー(4 door)車ですね。

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扉のそれぞれにイスがあり、車内に通路は無く隣の扉への行き来はできません。

ちなみに製造した新橋工場は、現在の東京総合車両センター・西エリアの源流です。1915年(大正4年)に新橋駅から現在地に移転し、大井工場と名称を変更しました。


ハ10(製造会社:大阪梅鉢鉄工所 1926年11月製造)

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創業に伴い新造された客車です(でも伊賀鉄道発注車を譲受したので新古車?)。二重屋根を持つボギー台車で、客室は二等、三等に別れています。1968年(昭和43年)まで稼動していたようです。

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こちらは二等室です。

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青い座席のあるほうが二等室です。
微妙に座席の厚みが違いますが、座った感じはあまり差がないような…(^^;

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現役当時はニ、三等室の仕切りを取り外して使用していたようです。
1995(平成6年)新造時の状態に復元されました。

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下回りは結構特徴的。ちなみにこの車輛にブレーキ機構はありません。

ちなみに製造した大阪梅鉢鉄工所は、紆余曲折ののち、帝国車輛工業と改称しました。そして1968年には東急車輛製造と合併し、その後、JR東日本の完全子会社である総合車両製作所になったのは有名な話ですね。


サハ3104(製造会社:藤永田造船所 1925年1月製造)

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1925年に東京横浜電鉄(東急の前身)開業用としてデハ100形101~112が製造されましたが、竣工直後に目黒蒲田電鉄デハ30形と交換で同社に譲渡。1957年に電装解除で付随車化されました。1968年に加悦鉄道に譲渡され、DB201 に牽引されて通勤通学列車にキハ08 3が登場するまでの3年間運用されていました。1996年 ”カフェトレイン蒸気屋”に改造されましたが現在は立ち入り禁止になっています。

藤永田造船所は、1689年(元禄2年 )!!!に船大屋「兵庫屋」として創業した老舗でしたが1967年に三井造船株式会社に吸収合併されました。