「こうのとり」 燃え尽きる

日本の宇宙輸送機「こうのとり」が大気圏突入 

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は30日、国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給機「こうのとりHTV)」2号機が予定通り大気圏に再突入したと発表した。こうのとりはほぼ燃え尽きて破片が南太平洋上に落下し、約67日間の任務を終えた。
こうのとりは1月22日に宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げられ、28日にステーションに結http://sankei.jp.msn.com/images/news/110330/scn11033013460000-p1.jpg合した。実験装置や食料など約5・3トンの物資をISSに輸送。2月下旬には米スペースシャトルやロシアのソユーズ宇宙船、欧州やロシアの無人補給機とともにISS参加国の宇宙船が初めて勢ぞろいした。

 今月11日の東日本大震災では、宇宙機構筑波宇宙センター(茨城県)にあるこうのとりの運用管制施設のある建物の一部が被災し機能停止。米航空宇宙局(NASA)に管制業務を一時移行する事態になった。

米航空宇宙局の助けで運用を継続し、非常用電源の燃料を確保するなどした上で22日に復旧した。

 こうのとりは打ち上げ時に物資を積んでいたスペースに使用済みの実験用品や飛行士の排せつ物など約2.4トンのごみを詰め込み、予定通り今月29日未明にISSから離脱していた。その後、エンジンを噴射して徐々に高度を下げ、南太平洋上空の高度約120キロでの大気圏突入、燃え尽きて通信が途絶えた。

 計画責任者の虎野吉彦プロジェクトマネージャは「完璧に成功した。(小惑星探査機)はやぶさの件もそうだが、宇宙開発全般が良い方向に行っていると思う」と笑った。



JR西日本の「こうのとり」とは関係ありません