脱線を免れた新幹線システム!

新幹線脱線事故はこうして免れた-。東日本大震災の発生時、東北新幹線は「早期地震検知システム」により、揺れの始まる9秒前に非常ブレーキが作動していたことが6日までに分かった。2004年の新潟県中越地震では乗客を乗せた新幹線が初めて脱線したが、今回、車両では大きな被害は免れていた。

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JR東日本岩手県宮古市宮城県牡鹿半島などに計9個の地震計を設置している。11日午後2時47分3秒、牡鹿半島地震計が運転中止の基準となる地震の加速度120ガルを計測したため自動的に送電を中止し、走行中の新幹線が一斉に非常ブレーキをかけた。このとき、東北新幹線では27本の列車が乗客を乗せて走行中。一部の列車では、非常ブレーキをかけた9~12秒後に最初の揺れが始まったという。

一般に鉄道では、高速運転時より減速時の方が脱線リスクは小さいといわれている。今回の地震では、揺れ始めたときの各列車の走行速度は不明ながら、減速を始めていたため、大事故を回避できたとみられる。

新潟中越地震の際、上越新幹線では営業運転中の新幹線では初の脱線事故が発生した。ただ、列車は1000ガル弱の揺れを受けると止まっていても脱線する構造。中越地震で脱線した新幹線は1500ガル程度の揺れに見舞われたといわれている。このときもシステムによって新幹線は減速していた。JR東の内部には「死者、負傷者のなかった脱線事故だが、システムがなければ犠牲者が出ていたかもしれない」との声もある。

高架橋などに被害を受けた東北新幹線は東京-那須塩原、盛岡-新青森の運転にとどまっている。復旧作業が進み、7日には盛岡-一ノ関、12日ごろをめどに那須塩原-福島、4月下旬に全線再開する見通しだ。

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